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活動紹介
公益社団法人 全国環境対策機構は、「環境教育・啓発活動」「環境対策支援活動」「社会貢献活動」を重点活動として取り組みます。

平成30年度公益社団法人認定記念JEOセミナー 第1部

 

平成31年2月18日(月) 17:30~20:00 大阪国際ビルディング(大阪市)
参加者:162名(関係者含む)

 

第1部 基調講演 講師:垣内俊哉 氏

「バリアバリュー ~障害を価値に変える」

 

「何度も、何度も、生きる事を諦めようとしました……。」講演の第一声から、聞き入ってしまう始まりでした。生まれつき骨が脆く折れやすいという障害をもち、その経験に基づくビジネスプランを考案し、大学在学中に株式会社ミライロを設立された垣内さんより、障害に対して視点を変えて価値を生み出すお話をお聞きしました。

 

かきうちさん

 

「バリアバリュー」という言葉ですが、株式会社ミライロの企業理念になっている言葉だそうです。「バリアフリー(障害を取り除く)」という言葉は耳馴染みがありますが、果たして本当に障害は取り除くべきものなのでしょうか。垣内さんはかつて入院生活をしながら障害を克服しようとしていたお話をされました。歩くという夢が叶わないと分かった時、絶望したものの、本気でリハビリに打ち込んだ後の気持ちは、どこかすがすがしかったそうです。その後、アルバイトを通して「歩けなくてもできる事」を見つけ、アルバイトでの成功体験から「歩けないから出来る事」があるという発見をされました。視点が変われば障害が価値へと変えられるという考え方こそ「バリアバリュー」です。「バリアフリー」はマイナスをゼロにするという考え方ですが、ゼロにするだけでなく一にでも十にでも価値へと変えていけるのです。

 

こうきょうきかんのばりあふりーか

 

かつての日本では障害者・高齢者が街に出歩く事は特別な事だったけれど、ここ20~30年の間で環境と人々の意識は少しずつ変わってきました。公共施設においては80%がバリアフリー化しており、身の回りの至るところでもバリアフリー化は進んできています。しかしながら、障害者が外に出たいと思うかどうかは別だといいます。環境がせっかく整っていても心の準備ができていないのです。日本人の場合障害者に対しての対応は「無関心(なふりをする人)」と「過剰に心配する人」に2極化するそうです。障害の事が分からない人たちは、障害者がどうしてほしいかではなく、なんとなくのイメージで決めつけて対処をしてしまう人が多い。そういった意識のバリアを無くし、障害者が経済活動を積極的に行えば、大きな経済効果がある。障害者や高齢者など日本人の3割が該当しているのだから決して少なくはない。と続けられました。

 

ゆにばーさるまなー

 

社会には「環境」「情報」「意識」の3つのバリアが存在しています。
環境について日本は世界的に見てもバリアフリー化がかなり進んでいます。今まで作られてたものに対してバリアを取り除くことはお金がかかってしまうけど、新たに作っていくものにはバリアを作らないようにしていけば費用は掛かりません。

 

情報とは障害者が行きたい場所に行けるかどうか、行きやすい道、他にもコンセントがあるのか等様々な情報です。キャッシュレスやコンセントなどは誰にでもあると便利な情報ですが、実は視覚障碍者や電動車いすユーザーがとても求めていた情報だったのだと言います。

 

意識のバリアはこれから特に取り組むべきバリアとなります。環境や情報と違い意識は自分の意志で変えていく事ができます。障害者と向き合うことが当たり前の世の中になれば、障害者は外出の機会が増え消費意欲がたかまることでしょう。特別な知識や高度な技術がなくても、自分とは違う誰かの事を思いやり、理解し行動する。「ユニバーサルマナー」が普及した時こそ誰もが住みやすい街になっていることでしょう。

 

にほんがひゃくにんのむらなら

 

従来から障害者と向き合うということは、社会貢献というイメージが強かったですが継続させるためには必ず利益が必要です。多くの方々が求めている事だからこそ、続けていかないといけません。「利益が増える」「クレームを減らす」「手間を減らす」等なんらかの社会的価値に転換していかなければなりません。多様性を受け入れる事は、社会貢献であると同時に確固たる経済活動へと変わっていくのです。と垣内さん。

 

しゃかいこうけんとけいざいせいのりょうりつ

 

一方的な支援ではなく、様々なニーズに応えた支援を。そしてその支援は継続しなくてはなりません。社会貢献と経済活動が両立すれば、だれもが過ごしやすい世の中が続いていきます。 今までの考え方の視点を少し変えてみるだけで、新たな気づきを発見できのだと感じました。

 

 

多くの方々にご参加いただきましたことと、垣内さんのご講演と出会いに心より感謝申し上げます。 2019.04.10 JEO事務局